チャック・ベリーが亡くなった。
1982/8/7、横浜スタジアムで、チャック・ベリー、サム&デイヴのサム・ムーア、そしてRCサクセションが同じステージに立った。俺はその場にいた。RCサクセションのローディーとして。
サム・ムーアとバンドがトップで演奏し、ライヴを終えたメンバーと、これからステージに向かうRCサクセションが、通路ですれ違った。清志郎さんのメイクと衣装を見て、サム・ムーア・バンドの女性コーラスの方が大受けしていたのを憶えている。
トリはチャック・ベリー。たった1人で来日して、ドラムとベースとピアノは日本のミュージシャンを雇うというスタイルだった。「俺の歌だ。当然やれるよな?」みたいな感じだった。本番が始まり、何度かピアニストに注文をつけていたが、途中で業を煮やして「Get Out!」と本番中にクビにした。その後は自分でピアノソロも弾き、ダック・ウォークを見せつけた。
安らかに。
当時のRCサクセションは、大ブレイクの真っ最中。お客さんは2万人を越えていたと思う。
俺は軍手をはめて、サックスの梅津和時さん率いるホーン・セクションの後ろにいて、メンバーが前に飛び出すたびにシールドをくり出し、戻るのに合わせてシールドを巻いた。
ローディーの仕事をちゃんとやらなくちゃいけないと分かってはいても、俺はずっと清志郎さんの背中を見ていた。その向こうに壁のようにそびえる2万人のオーディエンスを見ていた。
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