3/21のバンドライヴに向けてリハーサルがスタート。
メンバーからのアレンジの提案もあって、バンドとしてのサウンドがどんどん充実していく。
1年ぶりに5人がそろったライヴ、楽しんでね!
詳細は以下をクリック!
〈42nd Anniversary Live with Wonder 5〉
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2025年3月12日水曜日
Wonder 5 始動
2025年3月5日水曜日
さあ、ツアーだ!
弦を大量に買い込み、ツアーの始まりだ。
今年はすでに年末くらいまでスケジュールが決まり始めている。楽しもう!
詳細は、以下をクリック!
〈2025年 ライヴスケジュール〉
■3/21(金)神奈川 新横浜LiT with Wonder 5
■3/29(土)大阪 music bar S.O.Ra
■3/30(日)大阪 music bar S.O.Ra
■4/12(土)福岡 Six Pines sandwiches
■4/13(日)広島 OTIS!
■4/26(土)東京 西荻窪 Live Spot Terra with 松藤英男, 磯部舞子
■5/03(土)東京 江古田マーキー with ストウタカシ
■5/10(土)東京 一橋学園 ローリング・ビーンズ
■5/17(土)東京 阿佐ヶ谷harness with iNECA
■6/07(土)東京 阿佐ヶ谷harness
■6/14(土)愛知 名古屋 刈谷サンダンス with 高橋研
■6/15(日)静岡 LIVE BAR 風の街 with 高橋研
■6/21(土)東京 六本木クラップス
■6/28(土)福島 いわき Music Bar burrows
■6/29(日)青森 弘前 てふてふ
■7/05(土)東京 阿佐ヶ谷harness with 鎌田ひろゆき
■7/20(日)東京 西荻窪 Live Spot Terra
■8/03(日)埼玉 入間市文化創造アトリエ AMIGO
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2025年3月3日月曜日
名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
もちろん見たとも、ディランの映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。
ディランが憑依したかのようなティモシー・シャラメの、挑発的な上目づかいと、孤独がこぼれ落ちそうな瞳。それをサングラスで隠し、ディランはミステリアスになっていく。
映画のハイライト、ディランがエレキギターを抱えて、罵声を浴びながら〈Like A Rolling Stone〉を歌うシーンは鳥肌ものだった。
映画のタイトルも〈 Like A Rolling Stone〉のサビの歌詞から取られている。
How does it feel?
How does it feel?
To be without a home?
Like a complete unknown?
Like a rolling stone?
ここのところ、ロックのカリスマを主人公にした映画が多く作られている。
クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』
エルトン・ジョンの『ロケット・マン』
エルヴィス・プレスリーの『エルヴィス』
ジョニー・キャッシュの『ウォーク・ザ・ライン / 君につづく道』は、『名もなき者』と同じ監督。ジョニー・キャッシュは『名もなき者』にもクールな役どころで出演していた。
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2025年3月2日日曜日
バンドライヴ!
3/21は、42周年を記念するバンドライヴを開催する。
Wonder 5の5人が集結するのは、1年ぶりだ。初めてプレイする曲の資料、セットリストなど、すでにメンバーに送り、それぞれがリハーサルに向けて準備しているところ。
きっと素敵な夜になる。
詳細は、以下をクリック!
〈42nd Anniversary Live with Wonder 5〉
3月21日(金) 神奈川 新横浜 LiT
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2025年3月1日土曜日
《小山卓治・夢プロジェクト》終了
去年の12/15にスタートした、俺にとって初めてのクラウド・ファンディング《小山卓治・夢プロジェクト》は、257人の支援者を得て、¥3,214,000の資金が集まる大成功で終了した。
信じられない気持ちだ。未来が見えた。がんばってくれたスタッフたちにも感謝。
西本さんと組んで、次のレコーディングに取り組む。
支援してくれたみんなに、熱い心のハグを贈るよ!
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2025年2月25日火曜日
内向型人間の時代 スーザン・ケイン
YouTubeで偶然見つけた動画『スーザン・ケイン 内向的な人が秘めている力』を見た。
アメリカ人といえば、明るくて外交的でフレンドリーな人が大半というイメージがある。それに対してアメリカ人のスーザン・ケインが「実際には三分の一が内向的で、内向的であることのよさ」を語る動画は、意外だったがすごく腑に落ちた。
著書『Quiet 内向型人間の時代』を読んだ。動画をさらに深掘りした内容に、深くうなずいた。
自分が外向型か内向型かと聞かれれば、100パーセント内向型だと断言できる。子供の頃は軽い引きこもりでもあった。
もっとも、曲を作ったりする人間は、ほぼ内向型だと思っている。ステージに出る時も、自分の中で「えいっ!」と気合を入れないと、とても歌えない。
だがもちろん音楽は1人で奏でるだけのものではない。ライヴもそれを支える人たちがいるし、1人だけで作り上げた曲を、大きなものに、多くの人たちに届く作品にするためには、レコーディングやバンドとのプレイなどの共同作業が必要になる。必要じゃないのはスナフキンだけだ。
そのバランスの大切さも、本には書かれてあった。
ふと連想したのが、映画『ウォール・フラワーズ』。内向的な青年が、出会いによって少しずつ心を開いていく。ラスト・シーンはすばらしく美しかった。
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2025年2月23日日曜日
〈小山卓治 × 白浜久〉
毎年恒例、阿佐ヶ谷 harnessでの〈小山卓治 × 白浜久〉。今年も盛り上がった。来てくれたみんな、ありがとう。
TAKUJI, HISASHI & TOBENのライヴも全国展開していく計画を練っている。楽しみにしていてね。
この後のharnessでのライヴは、2本決まっている。
〈小山卓治 × iNECA〉 5月17日(土)
〈熊本応援ライヴ〉 6月7日(土)
そして、ライヴが終わった後に鎌田と「今年も夏にやる?」と話し、ジョイントを決めた。
〈小山卓治 × 鎌田ひろゆき〉 7月5日(土)
このフットワークがharnessのよさだ。
白浜久 ソロ
01.紫の夜明け
02.流れ者
03.Midnight Primadonna
04.裏窓
05.Lucky Guy
06.DaDa
07.誰にもさよならを言わないで *
08.少年と風
09.朝まで待てない
10.PARADISE ALLEY
E1.ついてねえや [with 白浜久]
E2.あの空の何処かに [with 白浜久]
E3.What did you say [with 白浜久]
E4.under control [with 白浜久]
E2.花・太陽・雨 [with 白浜久]
* 未発表曲
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2025年2月20日木曜日
《小山卓治・夢プロジェクト》ラストスパート
たくさんの人たちの力に支えられてきた《小山卓治・夢プロジェクト》は、2月28日に終了する。
第2次レコーディングも具体的な計画が進んでいる。もうワクワクが止まらない。
小山卓治・夢プロジェクト
1990/331 九段会館ライヴ動画 ダイジェスト(YouTube)
第1次レコーディング ダイジェスト(YouTube)
未発表曲 音源集01 ダイジェスト(YouTube)
未発表曲 音源集02 ダイジェスト(YouTube)
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2025年2月17日月曜日
大阪 2 Days 41曲
去年に続き、大阪 music bar S.O.Raで、2日間のライヴを開催する。
前回は、アルバム《DAHLIA》とベストアルバム《Well -Songs of 35 years-》の全曲、トータル38曲を歌った。
今回はベストアルバム《Well 2 -Songs of 40 years-》+10曲としたから、2日で41曲を歌うことになる。
ぜひ2日とも楽しんでね。
〈小山卓治 Well 2 + 10 1st Day〉
3月29日(土)
〈小山卓治 Well 2 + 10 2nd Day〉
3月30日(日)
予約は、大阪 music bar S.O.Raで受け付けている
ライヴ写真は、ファンの方が撮ってくれたもの
Photo : Takuji
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2025年2月15日土曜日
《小山卓治・夢プロジェクト》新しい返礼品
いよいよ佳境を迎えた《小山卓治・夢プロジェクト》。終了まであと13日になった。
毎日、進捗状況を見ながら感激している。いやほんと、みんなすごいよ。
いろんな返礼品を出してきたが、今日、俺の私物としては最後になる、サングラスとミニギターをアップした。
サングラスは、どちらも初期のボブ・ディランを意識して購入したものだ。2/28公開のディランの映画『名もなき者 / A COMPLETE UNKNOWN』の情報がサイトにあふれているところだから「なるほど」と思ってくれるだろう。
ミニギターは、2023年1月に台湾で曲作りをするために購入し、アルバム《DAHLIA》に収録した〈少年と風〉〈PrimaとNoir〉〈ダリア〉などを作った。
二回りくらい小さいタイプのギターだから、そこだけ気をつけてね。
以下をクリック!
《小山卓治・夢プロジェクト》
Photo : Takuji
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2025年2月12日水曜日
未発表曲 ダイジェスト音声を公開
《小山卓治・夢プロジェクト》に「未発表曲 音源集 Part 2」を返礼品として出品し、その〈ダイジェスト音声(YouTube)〉を公開した。
■強くなりたい(未発表曲 1990年代)
この歌はどこにも出していないはずだ。「強くなりたい」というフレーズは、2017年リリースの〈光が降る〉でやっと形になった。
■殴り書きのファンタジー(未発表曲 1990年代)
俺にしては珍しくちょっとポップなサウンドに仕上げた。前回の「未発表曲」について書いた2024/12/25のダイアリーに「もしその時期にレコード会社との契約があれば、アルバムが1枚できたかもしれない」と書いた、まさにその時期に作った。
■You(未発表曲 1980年代)
初期の俺の歌には、「やつら」や「あんた」など、敵対する相手と見なしている対象がいた。それは逆に、自分がまだ“いっぱしの男”じゃないことを露呈してしまうことだった。今の俺に「あんた」はいない。
メロディは思い切りテンポを落とした〈微熱夜〉で、もはや別の歌だ。
■ガソリンタウン(ひまわり 原曲 1980年代)
作った当初は、“ガソリンタウン”という架空の街に住んでいる、たくさんの登場人物たちの群衆劇として作った。その中から「その人の女房」に主役になってもらい、他の人物たちは、後に〈裏窓〉や〈最終電車〉に登場してもらうことになる。
■このままじゃいけない(夕陽に泣きたい 原曲 1990年代)
アルバム《Circle Game》の前くらいに作った歌だから、テロップには「1990年代」と入れたが、正確には2000年代だ。デモ・テイクでは大サビがあるが、高橋研さんと共作する時、この歌のメロディをかなりシンプルにして研さんに渡し、〈夕陽に泣きたい〉になった。
■都会(もうすぐ 原曲 1980年代)
歌詞は〈もうすぐ〉で、AメロとBメロがまったく違う。なぜ完成形と違うのかは思い出せない。
■目をみはれ(Bad Dream 原曲 1980年代)
歌詞もメロディも〈Bad Dream〉で、テンポがまったく違う。〈Bad Dream〉はシングル〈傷だらけの天使〉のB面に〈悪夢〉というタイトルでレコーディングしたのが最初だから、それよりもっと前のテイクということになる。
■宝石の夜(最初の奇跡 原曲 1990年代)
〈最初の奇跡〉が完成する直前のテイク。完成度として90パーセントと110パーセントの間で揺れることは、よくある。その逡巡の末に、100パーセントの歌が生まれる。
《小山卓治・夢プロジェクト》の終了まで、いよいよあと16日となった。最後の返礼品が準備されている。
新しい夢の実現まで、あと少しだ!
《小山卓治・夢プロジェクト》
未発表曲 ダイジェスト Part 1(YouTube)
第1次レコーディング動画(YouTube)
photo : Yukari Watanabe
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2025年2月10日月曜日
ありがとう、横須賀!
横須賀へ足を運んでくれてありがとう。
松藤さんとご一緒するのは、東京だけじゃなく名古屋や大阪も含めて、もう6回目になる。
西本さんとも4回目。
すばらしくホットな夜になった。
01.Hustler
02.微熱夜
03.FILM GIRL
04.雨の音を聴きながら
05.PrimaとNoir
06.ILLUSION
07.ひまわり [with 西本明]
08.いつか河を越えて [with 西本明]
09ばあちゃんごめんね [with 西本明]
10.Aspirin [with 西本明]
松藤英男ソロ
E1.きんぽうげ [松藤英男, 小山卓治 西本明]
E2.種の歌 [松藤英男, 小山卓治 西本明]
E3.ダイヤル4を廻せ [松藤英男, 小山卓治 西本明]
E4.傷だらけの天使 [松藤英男, 小山卓治 西本明]
E5.ビューティフル・エネルギー [松藤英男, 小山卓治 西本明]
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2025年2月5日水曜日
レコーディング、スタート !!
《小山卓治・夢プロジェクト》に、スペシャルなミュージシャンが集結した。
プロデュースとピアノに、西本明さん。
ドラムに小田原豊さん。
ベースに美久月千晴千春さん。
ギターに長田進さん。
そしてスペシャルゲストに、甲斐バンドの松藤英男さんが後日参加。
ロック好きなら納得だろう、これだけのメンバーが集まるなんて、ちょっとした奇跡だ。
ああ、自慢したいことがたくさんあるよ。その一端を今週末にかけていくつか発表できる。
くわしくは、以下をクリック。
《小山卓治・夢プロジェクト》
今週末の2/8、俺と松藤英男さんのジョイントに西本明さんがゲスト出演するライヴを開催。
《小山卓治・夢プロジェクト》の返礼品として、リハーサルに参加して、3人と一緒に歌える企画が、あと1枠だけある。ぜひ参加して楽しんで!
〈松藤英男 × 小山卓治 with 西本明〉
2月8日(土) 神奈川 横須賀 Younger Than Yesterday
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2025年2月4日火曜日
ありがとう名古屋!
最高の2日間だったよ。
〈TAKUJI, HISASHI & TOBEN Ⅲ〉
2/1 愛知 名古屋 Brushup
■1部
湯川トーベン ソロ
白浜久 ソロ
小山卓治 ソロ
05. PrimaとNoir
06. ダリア
07. 夢のカリフォルニア
08. 花いちもんめ
■2部
09. あの空の何処かに
10. Night After Night
11. もっと
12. クリスタルレインドロップ
13. フォークロック
14. 救いの扉
15. 路傍のロック
16. 花・太陽・雨
E1. ノーノーボーイ
E2. Under Dog
E3. 風景
E4. タンポポ
〈小山卓治 ワンマンライヴ 2025〉
2/2 愛知 名古屋 Rosemary Hart
01.少年と風
02.Shape Of Life
03.気をつけた方がいいぜ
04.夕陽に泣きたい
05.家族
06.西からの便り
07.DOWN
08.Rock’n Roll's Over
09.Once
10.もしもあの時
11.誰にもさよならを言わないで *
12.ガソリン・タウン *
13.ばあちゃんごめんね
14.パパの叙事詩
15.傷だらけの天使
16.Bad Dream
E1.長すぎる夜と遠すぎる朝
E2.下から2番目の男
E2.もうすぐ
*未発表曲
Phooto : Dosyo
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2025年1月28日火曜日
ありがとうビーンズ
もはやホーム。俺とベチコと河村博司君をつないでくれた場所、ローリング・ビーンズでの1年半ぶりのライヴ。「帰って来た」という気持ちになれる場所は、そう多くはない。
この夜も、ここでしか味わえない空気の中で歌うことができた。心から感謝。
告知前だけど、5/10にまたローリング・ビーンズでやることになっている。興味があったら空けておいてね。
写真は確か、藤岡君の弟さんが撮ってくれたもの。
01.夢の島
02.オリオンのティアラ
03.談合坂パーキングエリア
04.煙突のある街
05.ばあちゃんごめんね
06.成長
07.雨の音を聴きながら
08.PrimaとNoir
09.ガソリン・タウン *
10.汚れたバスケットシューズ
11.傷だらけの天使
12.世界はすばらしい
E1.いつか河を越えて
E2.もうすぐ
E3.種の歌 with 千田富美代、Soulmates(藤岡徹, 飯山彰)
*未発表曲
2025年1月22日水曜日
〈Reasons to keep singing〉(不定期掲載)
1990/3/31、俺は九段会館のステージにいた。
前年の3月にアルバム《夢の島》をリリースして、CBSソニーとの契約を切り、7月の後楽園ホールで当時のバンドDADとの活動を終え、気持ち的には孤立無援の状況だった。
それでも歌は生まれた。
デビューして7年。当時はバンドブームの真っ盛りだった。客席のみんながぴょんぴょん跳ねるものだから、会場の2階席が揺れて倒壊が危惧され、「ロックお断り」のホールが出るほどだった。
九段会館もその例にもれず、リハーサルの時に会館スタッフが客席で監視の目を光らせていた。だがこの夜にバンドスタイルでプレイするのは、初演の〈YELLOW WASP〉1曲だけだった。
7ヶ月ぶりのライヴだった。九段会館は古い歴史を持つ会館で、キャパは1000を超え、3階席まである。
ステージに楽器がセッティングされ、その奥に幕が下りている。
開演。(SEでの)大きなアンコールの声に重なり、ディズニーの〈It’s a small world〉がオルゴールの音で流れ、幕が左右に開く。ソファがあり、俺が寝そべって煙草を吸っている。横のテーブルには花束。ライヴが終わった後の楽屋という設定だ。そこからもうひとつのライヴという物語が始まる。
アコースティック・ギターだけでステージをやることは、それまでになかった。その上、初めてハーモニカホルダーをつけてハープを吹き、新曲の〈紫の夜明け〉からスタートする。
タカミネのギターを使っている。チェット・アトキンスモデルの白いギター。あと、もう憶えていないギターもあって、合計4本を使っている。当時はよく弦を切っていたから。
ギターを交換しているローディーは、今や某楽器店の取締役だ。
ピアノで新曲の〈結晶〉を歌い、ティンパニを叩きながら〈HEAT OF THE NIGHT〉を歌う。ティンパニの叩き語りをしたのは、多分俺が初めてなんじゃないかな。
〈Passing Bell〉を歌う時、ステージ後ろにスライドが投影される。俺が撮影したものだ。当時のスタッフに、歌詞に合わせて細かく投影のタイミングを指示していたから「手が震えた」って言っていたっけ。
後半、マンドリンのTacoさん、ベースの珍太、サックスのSMILEYが登場し、モノクロームのステージに色を添えてくれる。
そして本編のラストで〈YELLOW WASP〉をプレイした。
アンコールの最後で新曲の〈前夜〉を歌い、拍手の中、奥のソファに寝そべり、幕が閉じる。オープニングと同じ構図になる。
モアアンコールとして、幕の間から登場し、アコギを弾いて生声で〈1 WEST 72 STREET NYNY 10023〉を歌った。
俺にとっては過渡期で、転換期で、とても重要なライヴだった。ずっとバンドサウンドにこだわっていたが、この後、アコースティックギターだけで全国を回るようになる。どんなサウンドであれ、歌を届けることが何よりも大切なことだと思うようになった。それは、今に続く考えだ。
今回の《小山卓治・夢プロジェクト》の返礼品を考えている時、その九段会館の動画が残っているはずだと、クローゼットの奥にあるVHSテープの山をひっくり返した。なんとか見つけたが、35年前のことだし、当時のスタッフが資料用に撮影していたVHSテープだから、もう劣化しているかもしれない。
業者に依頼してデータ化してもらった。若干のよれもあり、照明が強いと顔が白く飛んでしまっている。現代のデジタルの画質には遠く及ばないが、そこには32歳の俺がいた。
長くなってしまうが、その時期にファンクラヴ〈OFF〉に投稿したエッセイも紹介しておきたい。
当時は音楽雑誌の取材でいろんな話をしてはいたが、心の底の本音を話すことは決してなかった。しかし3ヶ月に1回、ファンクラブの会報に載せるエッセイにだけは本音を吐露していた。
時代が変わり、今のファンクラブ〈ONE〉でいえば、ラジオでのおしゃべりがそれに近いかな。
総ての“君”への手紙 1990/3
前略
元気にしているかい? この紙の上での3ヶ月に1回の手紙のやり取りでは、近況を報告するのが精一杯で、お互いが今どんなことを考えているかまで分かり合うのは少し難しかった。でも今度の3月31日は、本当にひさしぶりに君に会うことができる。僕はこの何カ月ぶりかのデートを前にして、毎日胸を躍らせている。
君に伝えたいことが山ほどあるんだ。君に聞かせたい歌がいっぱいあるんだ。君と同じ時間を共有し、歌を歌うことで、そこに新しい理解や、疑問や、確信や、摩擦や、それら総ての新しい関係が生まれるはずだ。そして僕たちはそいつを熱く受けとめ合うことができるだろう。僕は今すごくドキドキしている。
ざっと7年前のこと、僕はある連中との関係を結んだ。
僕は言った。
「さあ、新しいものを作ろうぜ」
連中は言った。
「さあ、儲けようぜ」
去年、僕はそいつらとの関係を断った。うんざりするほどもつれた話し合いの末、金と書類と憎しみの言葉が投げつけ合われた挙げ句の、それがお互いの結論だった。
最初の一歩の時、僕には大きすぎるスポットライトが用意された。なぜならそれは、僕だけのものじゃなかったからだ。見回すと、そのスポットの中にはたくさんの雑魚どもがニヤニヤといやらしい顔で舌なめずりをしながら立っていた。おこぼれを頂戴しようと、上目づかいで僕に下卑たジョークをつぶやいた。戦うことすら忘れ、ただ何かを咀嚼し、鑑賞し、計算高い理解の仕方しかできないやつらだった。
しかし連中が当てこんでいた現ナマが派生しないと踏むやいなや、連中は突然、高飛車な態度を取り、潮が引くよりも早くそこからいなくなった。その時、連中にとって僕は、もう終わった人間だった。
でも連中が気づかなかったことがある。それは、僕がプライドを持った1人の人間だったってことだ。そして、やつらの行動の一部始終を僕がはっきりとこの目で見ていたということだ。
今そのことについて話す気にはなれない。饒舌は、公的な勝利を治めた者だけに許される。だが見ているがいい。僕がまだくたばっちゃいないってことを思い知らせてやる。僕の魂を叩きつけてやるぜ。
ブタどもはいなくなった。僕と君と、そして理解し合うことのできる仲間たちが残った。僕はその理解者たちと一緒に新しい音楽を作っていく。誰にも左右されず、一番自分らしいやり方で。
君にその新しい曲たちを聞いてもらえる日がとても待ち遠しい。
3月31日はお互いに少しずつお洒落して、九段会館で会おう。
僕たち、何度でもやり直すことができるんだ。
九段会館ダイジェスト動画(YouTube)
Photo : Junji Naito
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2025年1月20日月曜日
2025年ライヴ、スタート!
今年最初のライヴは、TAKUJI, HISASHI & TOBENからスタート。満員のお客さんも楽しんでくれたようだ。
個人的には、前回はファルセットにしていた高い音程のところを地声にしたことで、ダイナミックさに貢献できた。
アンサンブルでは、3人が(PAの力も借りて)マイクと口元のわずかの隙間の調整で声量をコントロールできた。それぞれの声をより理解できたからだろう。
■1部
湯川トーベンソロ
白浜久ソロ
小山卓治ソロ
05.雨の音を聴きながら
06.ダリア
07.夢のカリフォルニア
08.花いちもんめ
■2部
09.あの空の何処かに
10.Night After Night
11.もっと
12.クリスタルレインドロップ
13.フォークロック
14.救いの扉
15.路傍のロック
16.花・太陽・雨
E1.ノーノーボーイ
E2.Under Dog
E3.風景
E4.タンポポ
「少年と風お弁当」を3人に頂いた。ありがとう!
さて、一座は名古屋へ。以下のそれぞれをクリックして、詳細を確認してね。
〈TAKUJI, HISASHI & TOBEN Ⅲ〉
■2/1(土)愛知 名古屋 Brushup
翌日は、俺のソロライヴを開催する。最近取り上げてこなかった歌を中心にセットリストを組もうと思っている。どちらのライヴも楽しんで!
■2/1(土)愛知 名古屋 Brushup
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2025年1月17日金曜日
TAKUJI, HISASHI & TOBEN ライヴ!
昨日、スタジオに3人が集結して、本番前のリハーサル。前回に比べて格段にアンサンブルが美しくなった。
俺が6弦のギブソン、トーベンさんが12弦のヤマハ、白浜さんがリッケンバッカー。
明日の新宿御苑 Rutoはソールドアウトだが、当日券が出るかもしれない。下記Rutoへ問い合わせるか、明日、足を運んでね。
9曲を収録した2枚目のCDも発売する。
そしてこの勢いのまま、2/1に名古屋 BrushupでTAKUJI, HISASHI & TOBENのライヴを開催する。
それぞれ、以下をクリック!
1/18(土)東京 新宿御苑 ライブ&バーRuto
2/1(土) 愛知 名古屋 Brushup
TAKUJI, HISASHI & TOBEN ファーストダイジェスト(YouTube)
Photo : Takuji
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2025年1月14日火曜日
『風神雷神』原田マハ
原田マハの『風神雷神』を読了。
この人は元キュレーターだけあって、絵画をモチーフにした小説は断然おもしろい。ピカソの「ゲルニカ」をテーマにした『暗幕のゲルニカ』、ルソーの絵をめぐる『永遠のカンヴァス』などなど。
この本の主人公はまだ10代の俵屋宗達。この人の作品は多く残されていて、「風神雷神」は国宝なんだが、生没年だけではなく、その生涯の記録はほぼ残っていない。だからこそ大胆なフィクションが可能になるんだろう。
織田信長に謁見し、信長の前で絵を描き、「宗達」の名前を授けられ、狩野永徳が描いた「洛中洛外図屏風」の助手を務め、天正遣欧少年使節と共にローマへ長い旅をし、まだ少年だったカラヴァッジョと出会う。
荒唐無稽だが、登場人物たちの表情までが生き生きと見えてくる。
Photo : Takuji
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2025年1月10日金曜日
ドン・マクリーンの〈Babylon (バビロン)〉
最近の音楽の聴き方は、もっぱら朝一にコーヒーを飲みながらAmazon Unlimitedでアルバムを1枚聴く。たまにはミックスリストで様々な音楽を聴くこともある。
ある朝のこと。マイナーキーのバンジョーのイントロが鳴り、どこか聞き慣れた声の男性が歌い始めた。コードはひとつだけ。違うメロディがどんどん重なって美しいアンサンブルになっていく。2分足らずの歌。
誰だろうとクレジットを見たら、ドン・マクリーンとある。
ドン・マクリーンといえば〈アメリカン・パイ〉。当時としては信じられない8分を超える歌で、シングルのA面とB面に分けてリリースされ、それでも1971年にナンバー1になった。
俺が知っていたドン・マクリーンの歌はその1曲だけだ。
流れてきた歌を調べたら、タイトルは〈Babylon〉。歌詞はこれだけ。
By the waters
The waters
Of Babylon
We lay down and wept
And wept
For thee Zion
We remember
Thee remember
Thee remember
Thee Zion
そうか。こんな歌を作ってTAKUJI, HISASHI & TOBENでやったらすごいアンサンブルが生まれそうだ。
ドン・マクリーンは、その後もアルバムを出し続け、79歳の今も現役のようだ。
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