2021年3月29日月曜日

新横浜 LiT ゾクゾクした

  アルバム《夢の島》と《成長》を全曲歌うライヴ。
 〈今までの僕は〉でスタートさせたライヴは初めてだ。
 〈長すぎる夜と遠すぎる朝〉と〈P.M.11:11〉と〈虹の袂〉はギターを弾かず、信夫君のピアノだけで歌った。その間合いにゾクゾクした。

 いつもと同じ発声、いつもと同じシャウトのはずだったが、LiTの広い空間に歌が広がることで、いつも以上に声が体を震わせるのを感じ、ロングトーンで歌いながらゾクゾクした。声が空間の広さを欲しがっていた。

 終演後、信夫君と「ゾクゾクしたな」と笑った。


01.今までの僕は w/ 信夫正彦
02.談合坂パーキングエリア w/ 信夫正彦
03.Once w/ 信夫正彦
04.紫の夜明け w/ 信夫正彦
05.結晶 w/ 信夫正彦
06.長すぎる夜と遠すぎる朝 w/ 信夫正彦
07.大統領様
08.Gallery
09.俺は帰って来たんだ

10.欲望
11.絶望のダンス
12.LIFE VEST UNDER YOUR SEAT
13.PM11:11 w/ 信夫正彦
14.Shadow Land w/ 信夫正彦
15.Heart Attack w/ 信夫正彦
16.夢の島 w/ 信夫正彦
17.嵐からの隠れ場所 w/ 信夫正彦

E1.成長
E2.夏の終わりに

E3.虹の袂 w/ 信夫正彦

E4.Show Time



photo : Yukari Watanabe


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2021年3月24日水曜日

阿吽のプレイ 3/28 新横浜 LiTに向けて

  今週末の〈新・全曲ライヴシリーズ #6 《夢の島》+《成長》〉へ向けて、ピアノの信夫君と最終リハーサル。
 アコギとピアノだけの演奏なのに、ドラムのリズムが聞こえてくる。
 ピアノだけで歌う曲は、まるで自分で弾いているような気持ちになる。“間”と“タメ”が俺の感覚とジャストだからだ。
 何度もライヴを重ねてきて、そして信夫君がピアニストだけじゃなくボーカリストだから、それが可能になる。




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2021年3月22日月曜日

ダディ柴田さんを迎えて

  去年の4月、サックスのダディ柴田さんをゲストに迎えるライヴが中止になった。
 それからずっと、リベンジを考えていた。

〈Beat the Emotion 2021  小山卓治 featuring ダディ柴田〉
5/8(土)東京 新宿御苑 Ruto
17時半開場 / 18時開演

 決まったよ。




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2021年3月16日火曜日

〈紅〉は、連作短編集

  今週末に開催するライヴ〈旅をする言葉2021 -紅-〉。セットリストが固まった。
 第3章は朱夏をイメージした歌を収録している。主人公たちは、迷いを捨て、戦う時を迎えている。それでも若い時とはまた違う苦悶を抱え、そうするしかない切迫感の中で走っている。
 1曲の中で物語が展開する歌が多いから、いわば連作短編集のようなイメージになる。
 ラヴ・ソングは前回より前向きな歌が増え、アップテンポの歌も多い。そして歌の中での死者が一番多い。

 来られる人は楽しんでね。後日、配信もする予定だ。


『旅をする言葉』第3章の写真 オリジナル・サイズ photo : Takuji


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2021年3月15日月曜日

アントン・コービンという才能

  デザイナーのコヤマ君と、次回作のデザインについて話し合う。ちょっとしたヒントだけを元にしたミーティングだったが、恐いくらい目ざす方向が同じで驚いた。これが21年一緒に仕事をしてきた強みだ。来月には撮影に入る。

 ミーティングがスムーズに終わったので、四方山話を。
 アントン・コービンという写真家の話をした。映画『アントン・コービン  伝説のロック・フォトグラファーの光と影』を見たのがきっかけだ。その名前は知らなかったが、たくさんのロック・シンガーの写真は見たことがあった。「そうだったのか」と点と点がつながった。
 度肝を抜くポートレートばかりだが、トム・ウェイツのこの写真にはたまげた。写真集の表紙だ。顔のシワは人間の名刺だと突きつけられた。

 もっとも、俺とコヤマ君が次回作でやろうとしていることは、全然違うベクトルのものだ。

 アントン・コービンは映画監督もしていると知り、「誰よりも狙われた男」を見た。ハードな内容だが、ひとつひとつのシーンの構図が美しい。エンディングで流れてきたダミ声は、やはりトム・ウェイツだった。






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2021年3月12日金曜日

アルバム《夢の島》《成長》を全曲

  〈新・全曲ライヴシリーズ #6 《夢の島》+《成長》〉へ向けてのリハーサルがスタート。
 ピアノの信夫君と2人のサウンドを作って行く。1989年と1991年のアルバムだが、サウンドはまったく違う。バンドマンのサウンドとスタジオ・ミュージシャンのサウンドだ。そこから曲を一番生かすフレーズを抜き取り、シンプルで高揚していくサウンドにしていく。
 全20曲。絶対いいライヴになる。

 会場のフロアは十分に広いから、心配しないで足を運んでね。




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2021年3月9日火曜日

東日本大震災から10年、この本を読む

 馳星周の『少年と犬』を読んだ。
 東日本大震災の直後から物語が始まり、舞台は南へ南へと移り、最後に熊本にたどり着く。読了後、涙があふれた。
 ドキュメンタリーより物語の方が、心に届く時がある。
 自分の目で見て感じたことは、強く心に残る。

 東日本大震災の1ヶ月後、仙台の壊滅した海岸を見た。
 2年半後、石巻の海岸近くの空き地に群生するセイタカアワダチソウの中に立った。
 3年半後、南相馬の現状を見、現地の人の話を聞き、仮設住宅に泊めてもらってまた話を聞いた。
 5年半後、復興の進まない南相馬の状況を知った。
 そこで見たもの、聞いたこと、匂い、忘れない。忘れちゃいけない。


2014/11/14 南相馬 Photo : Takuji


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2021年3月2日火曜日

原田マハと佐藤泰志

  最近読みふけっている作家を2人。

 原田マハは売れっ子作家だから知ってる人も多いだろう。絵画とその作家をテーマにした小説がばつぐんにおもしろい。
 『楽園のカンヴァス』はルソー、『ジヴェルニーの食卓』はマティス、ドガ、セザンヌ、モネ、『暗幕のゲルニカ』はピカソ、『たゆたえども沈まず』はゴッホをテーマにしている。
 原田マハはキュレーターでもあるから、絵画の描写がすごい。絵の具の匂いがしてくるようだ。現存する絵画をモチーフにしていて、フィクションとはいえ画家の息づかいまで感じられる。
 水墨画家の砥上裕將が書いた小説『線は、僕を描く』の水墨画の描写がすごかったのと同じだ。

 もう1人は、佐藤泰志。年齢は俺より8歳上だが、作家としてのスタートは俺とほぼ同じ。今まで知らなかった。
 社会に出てはみたものの折り合いをつけられない若者たちが登場する。無益につるんだり、遊びまくったり、くっきりしたものをつかめないもどかしさで世間や恋人や友人とギシギシとこすれ合う。
 リアルタイムで読みたかった。
 41歳で自死。その後、再評価され、小説を原作にした映画が4本作られた。その1本は以前見たことがあった。うかつだった。
 「そこのみにて光輝く」には、今をときめく綾野剛と菅田将暉が出演している。
 生きていれば、こんなにいい未来が待っていたのに。




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