来月の荻窪 BUNGAでベチコと新しくやる曲の譜面書き。
ベチコこと、磯部舞子との出会いは、ちょっと不思議だった。
2010年10月、小平市にあるローリング・ビーンズという喫茶店で、津田塾大学のメディア・スタディーズ・コースの学生さんから取材を受けた。
その喫茶店は、以前から俺のCDを精力的に販売してくれているメーカーの女性の旦那様が経営している店だった。
取材が終わった後、ご夫婦から、近所に住んでいてたまたま顔を出していたベチコを紹介してもらった。
「へえ、バイオリン弾いてるんだ。ちょっと聴かせてくれない?」
彼女はクラシックの曲を弾いてくれた。
「もっと他の感じのやつも聴かせてよ」
彼女が弾いたのが俺の大好きなアイリッシュの、インストロメンタルだった。
その日ご夫婦から「狭いですけど、ぜひここで歌ってくれませんか?」と言われ、1ヶ月後の11/13、シークレット・ライヴをやることになった。お店の常連のみなさんが来てくれて、とてもアットホームなライヴになった。
客席にベチコがいるのに気づいた。せっかくだから何か一緒にやってみたいなと急遽セットリストを変え、アンコールで何の前触れもなくベチコを呼び込んだ。
「キーは“E”だよ」とだけ言って〈傷だらけの天使〉をやった。後で聞いたんだが、当時のベチコはまだコードという概念がなかったそうだ。
掲載した写真はその時のもので、初公開。まだトレード・マークの帽子をかぶっていない。
ライヴが終わり、「せっかく知り合ったんだし、今度はちゃんとリハーサルをやってライヴやろうよ」と誘った。
そして年が明けた2011/1/28、初めてベチコを迎えたライヴを開催した。YouTubeの映像はその時の〈談合坂パーキングエリア〉と〈前夜〉。
個人的には、ボブ・ディランがスカーレット・リヴェラを発見した時の気分だった。
長くなりそうだから、続きはまた。
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