最近読んだ本の中でおもしろかったものを。
ジム・トンプスンの『内なる殺人者』。
主人公が、いっさいの迷いもなく殺戮をくり返していくクライム・ノベル。すごいクールだ。
サム・ペキンパー監督、スティーブ・マックイーン主演の映画『ゲッタウェイ(1972)』の原作者でもある。この映画もクールだったな。
〈傷だらけの天使〉の「Getaway 優しくしてくれるだけで」は、ここから来ている。
そしてこの小説も『キラー・インサイド・ミー』というタイトルで映画化されている。これはぜひ見なきゃ。
ブルース・スプリングスティーンが読んで号泣したという小説、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』。
滅亡しかかった地球、父と子が、ただただひたすら南を目指して歩く。その一節を引用。
友達はいた?
ああ。いたよ
たくさん?
うん
みんなのこと憶えてる?
ああ。憶えてる
その人たちどうなったの?
死んでしまった
みんな?
そう。みんな
もう会えなくて寂しい?
うん。寂しい
ぼくたちどこへ行くの?
南だ
クールを通り越して、恐ろしいほどニヒル。こんな小説は読んだことがない。ピューリッツァー賞を受賞したという。
この小説も映画になっている。この内容をいったいどんな映像にしたんだろう。
で、あまりにも人が死ぬ小説ばかり読んじゃったから、その反動で、佐藤さとるの童話『天狗童子』を読んでいるところだ。
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