2017年6月25日日曜日

一瞬をとらえた1枚の写真

 1982年。RCサクセションのオフィシャル・カメラマンの1人だった、翁長裕氏。同じプロダクションからデビューすることになった、新人の俺の写真も撮影することになった。
 まだレコード会社も決まっていない頃、渋谷や青山で何度も撮影した。デビューシングル〈FILM GIRL〉の、手のひらの中でZippoを点けている写真も、彼が撮影した。

 facebook「JUNJI NAITO Photographs」、6/23に書かれたカメラマン内藤順司の回想を読んでほしい。
 文章にある、新宿ルイードでのコンベンション・ライヴ。初めてThe Conxとライヴをやった夜だ。翁長氏が獣のような目でシャッターを押し続けていた。そしてその横に、もう1人カメラマンがいた。

 コンベンション・ライヴの数日後、翁長氏から紙焼きを見せてもらっている時、彼がポツリとつぶやいた。
「俺の真横で、俺とまったく同じタイミングでシャッターを切ってるやつがいた」
 それが内藤順司だ。
 この写真は内藤が撮ったもの。同じ瞬間を少し違う角度から捕らえた写真が、翁長氏の紙焼きにあった。
 
 オフィシャル・カメラマンが変わったいきさつは、俺は聞かされなかった。
 ある時から雑誌の取材に、クリクリのカーリー・ヘアーの男が現れ、なれなれしく言った。
「で、小山ちゃんさあ!」
 34年も前の話だ。お互いが現役でいることを、誇りに思う。


photo : Junji Naito


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