2018年1月12日金曜日

ミックスダウン、マスタリングという作業

 YouTubeに掲載しているWonder 5との〈Aspirin〉や、オフィシャル・ファン・コミュニティー〈ONE〉に掲載している〈2人のはるか〉は、ライヴの熱気をいち早くみんなに伝えたかったから、ミックスする前の音で掲載した。
 ライヴアルバム《New Days Final For Band Live》に収録した音源と比べたら、ミックスダウンという作業がいかに大切で、ライヴの臨場感を伝えるために重要か分かってくれるはずだ。1人1人の音が立っていて、音も太く深くなっている。

 先行シングルとしてリリースし、アルバム《はるか》に収録した楽曲も、マスタリングという作業をやることで、音がふくよかになっている。

 80年代半ば、やたらとリズムを強調するミックスダウンが主流になった時代がある。俺のアルバムでいえば《The Fool》《VANISHING POINT》の頃だ。
 リマスタリング盤をリリースする時、できる限りボーカルのレベルを上げる作業をした。

 いまだにドハマリしている阿久悠さん。当時はボーカルのレベルが大きい分、言葉もはっきり伝わってくる。


photo : Yukari Watanabe


 ちょっと話は変わって。
 阿久悠さんのエッセイに『作詞入門』というのがあって、これはおもしろそうだと読んでみた。出版されたのは1972年だ。
 本の冒頭で「年間何10曲というヒットソングを創り出せるプロの作詞家になるための、25の条件」というのがある。ひとつでも当てはまらなければ、作詞家にはなれないという。
 読んでみたら、けっこう当てはまらなくて、ちょっとショック。
 もちろん、ヒットメーカーとしてのプロの作詞家と、作詞 作曲 歌唱のシンガー・ソング・ライターとの違いはあるだろうけれど。
 読んでいく中で、自身で実践していることも多くあったが、足りない部分もたくさん発見した。
 1972年といえば、阿久悠さんが乗りに乗っている時。なによりその言葉のバイタリティに圧倒された。




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