ずいぶん前、世田谷のボロ市で古い柱時計を買った。ネジを巻くと、懐かしい音色で「ボーンボーン」と時を告げる。「コツコツ」と振り子が揺れる音は、いつの間にか耳に馴染んで、鳴っていることを意識しなくなる。
その時期に作った歌が、〈吠えろ〉〈夕陽に泣きたい〉〈種の歌〉。後で気づいたんだが、テンポが似ていて、柱時計の振り子のテンポとほぼ同じだった。深層心理みたいなものかな。
気づいてからはネジを巻くのをやめてオブジェにしたが、今も仕事部屋に飾ってある。時計の裏側に「米嶋」と墨で書いてあったから「米嶋さん」と呼んでいる。
photo : Takuji
オフィシャル・ファン・コミュニティー〈ONE〉を更新した。
■アーカイブ〈散文詩〉
書き下ろしの散文詩(ポエトリー・リーディング)全49本の音声を掲載した。
この〈散文詩〉から、〈世界はすばらしい〉〈もしもあの時〉〈Kiss〉〈ばあちゃんごめんね〉が生まれた。
掲載の確認のために聞いていて、〈雨の週末にできること〉で柱時計の音を使っていたのを思い出した。
〈ONE〉紹介サイトで、散文詩の〈ばあちゃんごめんね(熊本弁バージョン)〉などを聞くことができる。
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