2025年12月14日日曜日

孤高の表現者

  デビュー30周年を迎えた2013年4月6日、当時のパーソナルバンドWonder 4と、デビューの1983年からの2年間、ライヴとレコーディングを共にしてきた盟友The Conxをスペシャルゲストに迎えたアニバーサリーライヴを開催した。

 その翌日、『コヤママサシ 小山卓治アートワーク展』が開催された。
 13年間に渡ってコヤマ君が撮影してきた写真から厳選されたものを、アートワークとして展示、販売する展覧会だった。前日のライヴに来てくれた人がたくさん訪れてくれ、俺も午後に会場へ行って〈ミニライヴ〉をやった。
 作品のほとんどがファンの人たちの手に渡り、多分今も部屋の片隅に飾られているんじゃないかと思う。
 オフィシャル・ファン・コミュニティー〈ONE〉のサイトでは、そのすべての作品を今も見ることができる。

 その展覧会に、俺が寄せたコメントがあるので、紹介したい。

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「コヤママサシ 小山卓治アートワーク展」に寄せて

 コヤママサシが初めて開催するアートワーク展。写真展ではない。
 写っているのは僕だけど、すべてコヤママサシのフィルターを通したものだ。

 2000年にマキシシングルのジャケットで初めて組んで13年。僕はいつも彼に“圧倒的な”作品を要求し、彼は必ず最高のクオリティで僕の予想をはるかに越えてきた。
 そんな彼の仕事ぶりを、僕はよく「コヤママジック」と称する。それはもちろん「ちちんぷいぷい」とかかる、おとぎ話の魔法みたいなものじゃない。
 彼がこれまでやってきたことのすべてを注ぎ込んだ先に見えた、たったひとつの着地点が、作品として形になってきた。
 今日ここに展示されている作品も、誰も見たことのない高みを目指す彼がたどり着いた、デザインの山頂だ。そしてこれらの作品は、彼の次なる扉を開ける新たなデザインの一歩目になる。

 「孤高のダンディズム」
 それはかつて僕につけられたキャッチコピーだ。でもこれらの作品を見ていると、今のコヤママサシにこそ、ふさわしい呼び名のように思える。
 孤高のダンディズム。孤高の表現者。遠くを目指す者は、いつも孤独だ。その孤独が男を強くし、強靱な作品の源になる。

  小山卓治
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 俺とコヤマ君が組んで作った出版物が、2冊ある。
 ひとつは、2013年に出版された、初の詩集『旅をする言葉(2017年に完売)』。
 そして今年出版された『小山卓治 10年目のOREAD・ライヴ記念写真集』だ。
 2013年のOREADでの初ライヴからすべてのライヴを撮影し続けてきたコヤマ君の、ひとつの結晶でもある。55歳からの俺がそこにいる。

詳細と購入は以下をクリック

『小山卓治 10年目のOREAD・ライヴ記念写真集《OREAD》』






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