「変わらないなあ」
何だか嬉しかった。よくも悪くも20年以上前の森純太そのものだった。もちろん彼の中でたくさんの変化や成長があったはずだ。でもそれも含めて、「変わらない」または「変えない」姿を見せてくれた。
ずっと変わらないことのレジェンドとして、ザ・ローリング・ストーンズがいる。
俺がデビューした時、同じプロダクションにRCサクセションがいた。超過激なメイクとド派手な衣装でものすごいライヴを展開していた。
同じプロダクションだから、何度も、何年も、ライヴを見に行った。
ある時期、メンバーの衣装に少し変化が出てきた。ジャラジャラのアクセサリーなどが減り、色は派手だが上下のスーツを着たりしていた。
ある日のライヴで、清志郎さんがこんなMCをした。
「俺たちも大人にならなきゃいけないんだ。……かっこいいこと言ってる!(客席笑い)」
だがそれも少しの間で、衣装はまた派手に戻っていった。RCでさえ試行錯誤があったということだろう。
俺は変わる方を選んだ。その時の自分の気持ちに添った歌を作ってきた。その時の年齢にふさわしいと思うテーマを選んできた。ある意味、ロックンロールは遠ざかっていった。
スタンダード・ナンバーを歌う、ボブ・ディラン、ロッド・スチュワート、ジェイムス・テイラーの歌声もすばらしいが、やはり今の自分に合ったテーマを見つけて歌を描かなければと思う。
レスポールで弾き語る純太を見ながら、以前出版した小説『明日なき暴走』の主人公、圭介を連想して、ふと微笑んでしまった。
オフィシャル・ファン・コミュニティー〈ONE〉を更新した。
■フォトグラフ
〈小山卓治ワンマンライヴ〉
1/26 東京 江古田 マーキー
〈新・全曲ライヴシリーズ #4 《The Fool》+《Rocks!》〉
2/22 東京 西荻窪 Live Spot Terra
photo : Yukari Watanabe