歌うのはアルバム《Passing》と《種》、マキシ・シングル《手首》の全22曲というくくりがあるから、セット・リストの組み方にいつもと違う発想が生まれる。
前半はじっくり聴かせる歌を並べた。客席を和ませるようなMCも入れず、歌を伝えることだけに集中した。この企画ならではのピリピリ感だ。
大合唱になりがちな〈種の歌〉も、あえて1部の最後に持って行った。
今回はソロだから、スローやミディアム・テンポの歌は、いつもよりメロディとメロディの間、言葉と言葉の間をためた。
お客さんと一緒に歌える歌が少ないから、最後は思い切り大きな声で歌えるように〈Escape〉と〈気をつけた方がいいぜ〉は、急遽半音上げて歌った。
結果、前半と後半で、まったく違う空気になった。
《Passing Bell》は、やっぱり最後に歌う以外になかった。みんなの歌声がすばらしかったな。
次回の〈全曲ライヴ〉は、アルバム《The Fool》と《ROCKS!》。開催は来年になると思う。
photo : Yukari Watanabe