01.少年と風
「昔々(long time ago)」で始まる歌は、黎明期のフォークソングにはよくあった。この始まりで歌を作りたいと以前から考えていた。ドン・マクリーンの〈アメリカン・パイ〉(「long long time ago」で始まる)も頭にあった。
この歌でやりたかったもうひとつは「です・ます調」での統一だ。
02.雨の音を聴きながら
2004年にスタートした、オフィシャルファンコミュニティー〈ONE〉で、オリジナルの詩をポエトリー・リーディングし、BGMと映像をつけた作品を3ヶ月に1本作っていて、トータルで50本作った。当初から、いずれ曲として着地させるつもりだった。
〈ポエトリー・リーディング〉
03.サヨナラまたねのすぐ後に
これも〈ONE〉のポエトリー・リーディングがオリジナル。オリジナルの方は静かなイメージだったが、釜山で軽快なメロディに乗った。
〈ポエトリー・リーディング〉
04.PrimaとNoir
〈Midnight Primadonna〉に登場させた少女は、“無垢の象徴”だった。ある時から、この歌の続編を描きたいと思い始めた。少女を大人にさせたかった。
作り終えて感じたのは、“無垢”というものは、決して手に入らないものだということだった。
05.Shape Of Life
2005年に書いた〈ONE〉のポエトリー・リーディングがオリジナル。オリジナルは短い詩だった。歌にするのに18年かかったわけだ。
06.南十字星
5年前のベストアルバム《Well -Songs of 35 years-》のボーナストラックとして収録した歌だ。アコギの弾き語りでの収録だったから、いつかちゃんとした形でレコーディングしようと思っていた。
07.冒険が始まる
これまで家族の歌はたくさん作ってきたが、この切り口での歌は初めてだ。最初に作ったのが〈家族〉だから、ずいぶん変化してきた。
08.ダリア
〈少年と風〉とこの歌は、歌の始まりから終わりまでに何10年も時が流れている。その分、他に比べて長い歌詞になった。
赤いダリアは、ずっと以前からイメージとしてあった。ようやく歌にすることができた。
09.街角のできごと
以前、デザイナーのコヤマ君に「小山さんなりのクリスマスソングを聴いてみたい」と言われたのをずっと憶えていた。
シングアウトみたいなクリスマスソングは俺の柄じゃない。街角の物語に仕上げた。
10.under control
「under control」とは「制御されている 管理されている」という意味。
白浜久さんとの初の共作となったこの歌の歌詞は、2013/9/7、ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会総会での、日本にオリンピックを招致するための安部首相のスピーチがきっかけで書いた。
「Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you, the situation is under control」
「福島について懸念している方もいるでしょう。私は保証します。状況は制御されています」
東日本大震災で、福島第一原子力発電所の大事故が起きたのが2011年。たった2年しかたっていない時期のそのスピーチに強烈な違和感を感じ、詞を書いた。
11.ばあちゃんごめんね -Kumamoto Intonation-
〈ばあちゃんごめんね〉は〈ONE〉のポエトリー・リーディングとして作り、それにメロディをつけてアルバム《はるか》に収録した。
2016年、俺の故郷の熊本で大きな地震が起き、〈ばあちゃんごめんね〉を熊本弁でポエトリー・リーディングしたものを改めて作った。
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