ある精神科医の本にこんな話が載っていた。
「脳のゴールデンタイムというのがある。起床後2〜3時間の脳が、一番クリアで複雑な仕事をできる」
これで思い出したことがある。ヘミングウェイは、朝一番からタイプライターを立ったまま打って小説を書き、それから趣味の釣りや狩猟などに出かけた。
「そういう小説家は、何かを生み出したいのではなく、何かを打ち負かしたいと思っているのだ」と書いたのはチャールズ・ブコウスキーだ。確かに2人は真逆の作家だ。だが脳科学的にはヘミングウェイが正しいことになる。
ヘミングウェイはノーベル文学賞を受賞し、61歳で散弾銃で自殺。ブコウスキーは40歳過ぎまで売れない詩人だったが後年に評価が高まり、73歳で白血病で死去。どちらが幸せな人生だったかは推し量るしかない。
もうひとつ、こんな話も。
「アメリカ人の方が日本人より生産性が高い。アメリカ人は5時まできっちり仕事をして、その後は自分や家族との時間にあてる。日本人は低い生産性を残業でまかない、家族、自分の時間を犠牲にしている」
意外だった。以前ニュースで、5時前にぞろぞろと仕事を終える人々(ブルーカラーの人たちだったが)に、日本人の記者が呆れた顔でインタビューしていた映像を思い出す。「だからアメリカ人は駄目なんだ」というニュアンス。それがかんちがいだったと知った。
「未来はただ、“今”の連続の先にあるだけ」
この言葉は沁みた。今を大切にしなければ、理想の未来なんて訪れない。
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