2018年8月27日月曜日

ニール・サイモンの訃報

 ニューヨークを舞台にした作品を数多く書いた作家、ニール・サイモン死去のニュース。男女の洒脱な会話を書かせたら右に出る者はいないだろう。舞台の脚本だけではなく、映画の脚本も多く手がけた。
 『ニール・サイモン戯曲集』は、今も仕事場の書棚に並んでいる。

 反目しあっていた男女が、ふとしたきっかけで一夜を共にする。朝になって我に返った女性が男性に言う。
「昨日のことは忘れて」
「駄目だよ! もう日記に書いちゃった」

 激しく咳き込む女性が男性に言う。
「煙草をちょうだい」
「煙草? 水の方がいいんじゃないか?」
「水じゃ煙が出ないじゃない」

「毎朝走ってるんだ」
「何を追いかけて?」

「息が詰まるような気がする」
「西48丁目にすばらしい耳鼻科を知ってるよ」

「真実はともすると、とても恐いものだから」