76歳。信じられないほどつややかで力強い音色だった。変幻自在なフレーズは言わずもがな。プレイしながら何度もしびれた。
リハーサルは当日のみだった。初対面でいきなりのライヴは気持ち的にハードルが高いものだが、カウントを入れて音を出した瞬間、一気に通じ合うことができた。
渡しておいた音資料は、すべてSMILEYがプレイしたテイクだった。
「この曲のフレーズはとてもいいね。これは外せない」と、1曲、SMILEYのフレーズをそのまま吹いてくれた。
ある曲をプレイしている時、サックスのフレーズが俺に「リズムをキープしろ」と伝えてきた。こんなことは初めてだ。
ステージではクールな振る舞いだが、オフ・ステージのダディ柴田さんは、すごく気さくにしゃべってくれる人だった。
「またぜひやりましょう」
これはきっと、口約束にはならないだろう。
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