最近読みふけっている作家を2人。
原田マハは売れっ子作家だから知ってる人も多いだろう。絵画とその作家をテーマにした小説がばつぐんにおもしろい。
『楽園のカンヴァス』はルソー、『ジヴェルニーの食卓』はマティス、ドガ、セザンヌ、モネ、『暗幕のゲルニカ』はピカソ、『たゆたえども沈まず』はゴッホをテーマにしている。
原田マハはキュレーターでもあるから、絵画の描写がすごい。絵の具の匂いがしてくるようだ。現存する絵画をモチーフにしていて、フィクションとはいえ画家の息づかいまで感じられる。
水墨画家の砥上裕將が書いた小説『線は、僕を描く』の水墨画の描写がすごかったのと同じだ。
もう1人は、佐藤泰志。年齢は俺より8歳上だが、作家としてのスタートは俺とほぼ同じ。今まで知らなかった。
社会に出てはみたものの折り合いをつけられない若者たちが登場する。無益につるんだり、遊びまくったり、くっきりしたものをつかめないもどかしさで世間や恋人や友人とギシギシとこすれ合う。
リアルタイムで読みたかった。
41歳で自死。その後、再評価され、小説を原作にした映画が4本作られた。その1本は以前見たことがあった。うかつだった。
「そこのみにて光輝く」には、今をときめく綾野剛と菅田将暉が出演している。
生きていれば、こんなにいい未来が待っていたのに。
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