ドラムとベースとピアノをレコーディングしたテイクに、アコースティック・ギターをマーチン D-28でダビング。36年前と同じギターだ。
2コーラス目からリズムが入ってくるアレンジで、1コーラスはクリック(メトロノームみたいな音)をヘッドフォンで聴きながら弾く。クリックを聞きながら、生きたストロークをするのは意外にむずかしい。
レコーディングしている俺からの目線でのマイクの位置は、こんな感じ。3本のマイクで音を拾っている。
photo : Takuji
〈Aの調書〉 ミックス
この歌も36年前と同じくマーチン D-28。バンドでプレイする歌の場合は、ダビングでギターを弾き、全部の演奏が完成したところで歌を入れる。
だが、この歌の場合は、36年前もそうだったが、クリックは聞かず、ギターを弾きながら歌も一緒に一発録り。その瞬間の気持ちを入れなければ歌えない。
そしてピアノをダビング。これで音は完成で、ミックスの作業へ。
何というか、刃物のようなテイクになった。当時は切れ味の悪い刃物を力任せに振り回していた感じだったが、60歳になってのテイクは、切れ味のいい刀で一刀両断にしている感じとでもいえばいいか。