2019年9月4日水曜日

音楽書簡 vol.2 ~ 拝啓で始まる手紙

 染谷俊君とは、これまで何度か一緒にライヴをやったことがある。ひさしぶりに彼から連絡をもらい、イベントのスペシャル・ゲストとして招いてもらうことになった。
 〈音楽書簡 vol.2 ~ 拝啓で始まる手紙〉は、染谷君とビードローズの佐藤亙君が始めたライヴ・シリーズ。
 俺に向けての手紙または歌、そしてその夜に初披露の新曲があるという。俺のソロはもちろん、3人でのセッションもある。
 俺も「手紙」というキーワードで、セットリストを組んでみようと思っている。きっと今までにないライヴになるだろう。
 佐藤亙君とは初対面。火花が散るかな。
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 2015/11/14に、東京 下北沢 ガレージで、ベースのスティング宮本も参加していた染谷俊&スピアヘッドと、熊本のバンド myshoowとライヴ・イベントをやった。
 その時に〈ONE - Oyama Takuji Network Eyes〉のダイアリーに書いたものを、改めて掲載する。


〈kumamoto’s Rock People pre『Meet Again Story』〉
 ガレージが超満員。ひさしぶりに滝のような汗をかくライヴだった。
 オープニングは、俺と染谷君とスティング宮本で、俺の曲を4曲。
 熊本からの刺客、myshowの、エンターテイメントと気合いたっぷりのライヴ。
 染谷俊&スピアヘッドのライヴの後半に、パーソンズの本田毅さんがゲスト出演
 そこへ俺が入って、俺と染谷君の曲を2曲ずつボーカルを分け合いながらプレイ。
 最後は、myshowも加わってアンコールセッション。

 それぞれがお互いをリスペクトした上で成立したイベントだった。そして、スティング宮本の下準備や進行があって実現した。

 14年ほど前、初めて染谷君とライヴをやった時、「二枚目すぎて損してるな」と思った。結構硬派なテーマの歌を作ってるのに、客席は若い女の子ばかり。マネージメントも彼の“二枚目”を前面に出してたから、歌が空回りしてるところは否めなかった。
 時が流れて彼も47歳になり、昨日の客席は、あいかわらず女性が圧倒的だったが、染谷君の歌を愛し、そして音楽を愛してる人たちが集まっていた。

 初めて同じステージに立った、パーソンズの本田毅さん。でっかい現場と、数々の修羅場をくぐり抜けてきたサウンドだ。
 打ち上げで、「心臓の一番深いところに突き刺さる音ですね」と話した。
 本田さんは俺の歌を「ヴィンテージの真空管ギターアンプのオーバードライブみたいなシャウト」と言ってくれた。
 音楽にくわしくないと分かりにくいだろうけど、これは俺にとって最高の褒め言葉だ
 こうやってお互いを心から褒めあえることなんて、そうはない。

 煙草をやめて、もうすぐ4年たつ。4年前にやめてたから、今の声がある。
 アマチュアの頃、「小山君は、いい声してるんだよなあ」と、よく言われた。その後に暗に「歌はヘタだけど」って声が聞こえてた。
 デビューした頃も「声がいい」って言われた。だが俺はそれをちゃんと自覚してなかった。
 今は、自分の声と常に向き合ってる。コンディションを整え、ベストの状態でライヴに向かう。
 4年前に煙草をやめてなかったら、今の声はなかった。

photo : Yukari Watanabe