2019年9月8日日曜日

染谷俊、佐藤亙と

 〈音楽書簡 vol.2 ~ 拝啓で始まる手紙〉は、スペシャル・ゲストだけど、 町田直隆バンドとの共演の時よりもさらに超アウェイでのライヴだった。
 染谷君のリスペクトを込めた「俺への手紙」からライヴがスタートし、呼び込みの時には熱く俺のことを語ってくれて、ぐんぐんハードルが上がった中でステージへ。今回もメンタルが試されることになった。

 「手紙」をキーワードにしたセットリスト。
 1曲目の〈世界はすばらしい〉は、声を張らずに静かなテンションから歌い出し、最後はマックスの声まで上げていった。昨日のお客さんには、最初から陽気に始めてはこの歌は伝わらない。

 〈談合坂パーキングエリア〉は、大切な人に想いを伝える歌。もちろんどの曲もそうなんだが、独白ではなくちゃんと相手を見据えている歌をセレクトした。

 新横浜LiTは初めて歌ったが、音響がすばらしく、声がちゃんと客席に響いているのが分かった。だから〈ばあちゃんごめんね〉は、いつもより1音下げて歌った。うまく説明できないが、歌の体温を少し上げるというニュアンスに近いかな。

 〈こわれた自転車〉は独白に近いが、街角のつぶやきが相手に伝わることを意識しながら歌った。

 「手紙」をキーワードにして最初に浮かんだ歌は〈祭りの季節〉だった。リズムに乗せるよりもポエトリー・リーディングを選んだ。

 〈ひまわり〉は、MCでも言ったが、テーブルに置いてある3枚の絵はがきを手に取るような気持ちで聴いてほしいと思った。ちょっとしたことだが、歌と歌の間のブリッジを同じ長さにした。

 2人を呼び込んでの〈ジャングルジム〉と〈Aspirin〉は、これまで染谷君とやってきた歌の中から彼がセレクトしてくれた。
 そしてアンコールで〈種の歌〉。


 新横浜LiTのオーナーは、元The Conxのムーニーと旧知の仲で、俺がデビューした頃から何度もライヴを見てくれていたそうだ。今回のイベントでやっとつながることができた。
 また歌いたい場所ができた。

 初共演の佐藤亙君は、歌もギターも静かに主張する男だった。ちゃんと見届けた。
 彼とアドレスを交換した。先日、スティング宮本と阿佐ヶ谷harnessで共演したそうだ。
「じゃあまずは、harnessから始めようか」

 いろいろと次につながる1日になった。