2019年6月3日月曜日

35年目の《ひまわり》

 7/21にリリースする《ひまわり 35th Anniversary Edition》の制作作業が進んでいる。

 マスタリング・エンジニアは、俺のチームの1人、穴井正和君。
 作業に入る前に、CBS SONY時代のCD、2007年のリマスタリング、そしてアナログ・レコードを聴き直した。アナログの音を何10年ぶりに聴いて、ちょっと震えた。その音を体に染みこませてからマスタリング作業へ。アナログに限りなく近い音に仕上がった。

 その音を聴いていると、当時のことがまざまざと蘇ってくる。
 レコーディングの真っ最中に体調を崩して入院し、ダビングの経過を病院のベッドでカセット・テープで聴いた。2週間くらいで退院してすぐにスタジオに戻ったんだが、うまく歌えなくて大変だった。そのせいでリリースが1ヶ月伸びた。
 当時はクリックなしでレコーディングしていたから、〈傷だらけの天使〉のエンディングでリズムが倍になって盛り上がって行くところは、どんどんテンポが速くなっていきながらフェイドアウトしていった。
 当時、六本木にあった洋書の書店で見つけた、ドイツ人のカメラマンの写真集からジャケットの写真をセレクトした。
 LPにつけた帯は、トレーシング・ペーパーを使った。
 音が、いろいろな記憶を呼び覚ましてくれる。

 お寺ライヴの翌日、撮影で参加したデザイナーのコヤマ君と、アルバム・デザインのミーティングをやった。コヤマ君が提案してくれたアイデアで、ほぼ方向性は決まっていたが、そこでのやり取りを踏まえた上でのデザインが届いた。今回もすばらしいジャケットになる。

 Wonder 5とのセルフ・カバーで、アコースティック・ギターのダビングに使ったのは、35年前と同じマーチンD-28。ここのところしまいっぱなしだったから、岐阜のお寺ライヴで思い切り鳴らしてコンディションを整えた。艶やかでふくよかな低音は、マーチンならではの音だ。


オフィシャル・ファン・コミュニティー〈ONE〉を更新した。
■フォトグラフ
〈アコースティックお寺ライヴ〉
5/25 岐阜 揖斐川 真教寺
5/26 岐阜 海津市 中島寺

 写真は、真教寺のご住職の奥様が、毎年心づくしで用意してくださる、ひまわり。

photo : Masashi Koyama


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