2019年4月10日水曜日

指の間から見えた30年後の未来

 今日の関東は北海道と変わらないくらいの冷え込みだ。侍珈琲の畑中さんがオリジナル焙煎で作ってくれた豆「YUMENO-SHIMA」を煎れて飲んでいる。
 北海道の3日間も熱いライヴが続いた。来てくれるお客さんの熱量は東京にも負けない。また秋に訪れる約束をしてきた。みんなの笑顔にもう一度会える。



photo : Takuji

 《夢の島》は、1989年、バブルのまっただ中でリリースされた。マハラジャでお姉ちゃんたちが扇子を振って、タクシーに乗ったら1万円札を出して「釣りはいらない」と言って、バンドブームが起こって『いかすバンド天国』というテレビ番組が始まって、ライヴでは女の子たちが曲に合わせていっせいにジャンプするから、会場の2階席の床が揺れて「ロックお断り」の会場が出てきた。俺のようなシンガー・ソング・ライターにとって、暗黒の時代だった

 《夢の島 30th Anniversary Edition》のケースの中に、この写真がある。1989年のオリジナル・ジャケットでやった手の形と同じで、俺からの目線になっている。
 あの時、指の間からにらみつけた現実の、その30年後に、今のような未来が来るとは想像していなかった。
 あの時、いろいろな障害を乗り越えて《夢の島》をリリースできてよかった。やり続けてきて、本当によかった。

at 侍珈琲 photo : Kanon


 伊藤銀次さんのラジオ番組『POP FILE RETURNS』、後半のオンエアが始まっている。ぜひ聞いてね。