2019年2月17日日曜日

ジョン・レノンの魂に少しだけ触れたライヴ

 銀座 樹の花でのライヴ。
 1人の女性の勇気ある行動が、偶然を必然に変えてくれた、すばらしいライヴだった。
 このライヴで話したことは、他で話す機会もないだろうから、いくつかここに記しておこう。

 この夜は、何本か持っているギターの中で一番ジョン・レノンっぽいギター、ギブソン J-45を弾いた。
 ジョンはビートルズの初期、このJ-45のボディにピックアップがついたギブソンJ-160Eを使っていた。

 1980年にリリースされたジョンの最後のアルバム《ダブル・ファンタジー》に〈Beautiful Boy〉という曲が収録されている。当時、5歳だった息子、ショーン・レノンのために作った歌だ。
 いつかこんな歌を作りたいとずっと思っていて、16年後〈夢の国へ〉を作った。

 去年の11月、打ち合わせのために樹の花へ行き、スタッフの成澤さんとお話した。これは成澤さんから聞いた話。
 以前、雑誌のインタビューで「好きなビートルズの曲は?」という質問に、俺は〈No Reply〉と答えたそうだ。自分ではまったく憶えていなかった。
 この夜、初めて〈No Reply〉をカバーした。

 10代の頃は、本気でジョンみたいになりたかった。当然のことながら俺はジョンにはなれなかったけれど、ずっと歌い続けてきた中で、自分なりの音楽を見つけてきた。
 そしてジョンが亡くなった40歳という年齢から21年たって、この店にたどり着いた。
 時間と空間を越えて、ジョンとジョイント・ライヴをしているような錯覚におちいった。




photo : Yukari Watanabe


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