2025年10月3日金曜日

《小山卓治・夢プロジェクト》最終レコーディング

 昨日、スタジオで最後になるレコーディングをやった。

 8/9の〈西本明ナイト 1st Day  尾崎豊トリビュート〉の時、俺の歌に参加してくれた柿島伸次君が、ナイスなハープとコーラスを披露してくれた。

 そして満を持して登場したのが、佐橋佳幸君。西本明さんと共に、佐野元春さんのザ・ホーボーキング・バンドに参加したギタリスト。
 だが、それだけじゃない。俺のデビューシングル盤の〈FILM GIRL〉でギターを弾いたのが佐橋君だ。当時はクレジットがなかったから、そのことを知っている人は少ないだろう。
 西本さんから「小山卓治って知ってる?」と聞かれ、「もちろん!」と答えてくれたそうだ。

 再会の握手の後、当時の話に花が咲いた。お互いに当時のことはよく憶えていた。よく使っていた渋谷の並木橋にあったスタジオ「J」(RCサクセションが《BLUE》というアルバムをレコーディングしたスタジオ。アルバムジャケットもそこで撮影されている)、俺とThe Conxは、いつもそこでリハーサルしていた。〈FILM GIRL〉をレコーディングした日𠮷にあるヤマハのスタジオ、当時のスタッフたちの名前。
 佐橋君は同じプロダクションに所属していて、UGUISSというバンドで俺と同じ1983年にEPIC・ソニーからデビューした。ソロになってからの活躍はめざましい。それだけ多忙だったのに当時のことを憶えているのは、お互いに若くてギラギラしていた時代だったからこそだろう。

 そのプレイはすばらしかった。弾き終えてブースから出てきた佐橋君に、そこにいた全員から自然に拍手が起きた。
 ここだけネタばれになるけど、言っちゃおう。彼に参加してもらった曲は〈FILM GIRL〉。42年ぶりに同じ歌でギターを弾いてもらう。こんな幸せなことがあるだろうか。

 そしてレコーディングの最後の歌は、西本さんのピアノと俺の歌だけ。
 ブースに入り、ヘッドホンをし、西本さんのピアノのイントロに聴き入る。そして歌う。ものすごい緊張感だった。1テイク歌うごとに100メートルをダッシュするくらいのエネルギーを使った。

 スタジオでの作業は終わった。あとは細かい作業、ミキシング、マスタリングと続いていく。
 まだちょっと早いが、《小山卓治・夢プロジェクト》を立ち上げてくれた人たちと、ミュージシャンに声をかけ、スケジューリングをし、プロデュース、アレンジ、プレイと大活躍してくれている西本さんに、深い感謝を。
 《小山卓治・夢プロジェクト》の作品が完成するまでの道のりはまだまだ。でも、確実に新しい一歩を踏み出せた。


Photo : Takuji


コメントフォーム